美健JUMP! 病気のお悩み:関節・筋肉・骨


体のお悩みで常に上位の

「関節痛」について原因と予防法を知る



手足が動かしにくい、階段の上り下りが辛いなど、歳を重ねるにつれ関節の悩みは増すばかり。今回は、そんな関節痛の基礎知識から主な症状、対処法までAll About「肩こり・腰痛」ガイドの檜垣暁子(ひがきあきこ)先生がお答えします。

Q.「関節痛」って何?

A. 関節の痛みには、炎症を起こしている場合と炎症を伴わないものとがあります。
日本人に最も多いのは「変形性関節症」と言われています。


関節の痛みが起こる部位は、体重などで負荷がかかる膝、股関節、脊椎(腰椎や頸椎)、また、酷使されやすい指、肘、肩などがあり、原因は関節リウマチ、痛風、外傷(膝の場合は半月板損傷など)、感染症などさまざまです。その中でも多いのが変形性関節症で、加齢などにより骨と骨の間にある軟骨がすり減ることで起こります。  

関節症疾病の総患者数は日本全国に約125万人!

過去のデータでは、継続的に関節痛の治療を受けている患者数は125万人にものぼるとされています。
特に65歳以上の場合、「手足の関節が痛む」という症状は、男女共に体の不調の自覚症状として上位に入っています。

関節のメカニズム~膝関節~

膝関節は大腿骨脛骨を結ぶ関節で、関節包と呼ばれる袋状の組織に包まれています。骨同士が直接ぶつからないよう、骨の断端(大腿骨と脛骨)は関節軟骨で覆われており、大腿骨と脛骨の間には、関節にかかる衝撃を吸収し膝を安定させるクッションの役割を果たす半月板があります。加齢などで関節軟骨がすり減ると、骨がトゲのように変形する骨棘(こつきょく)が発生するケースがみられます。また、骨棘や関節軟骨の微小なかけらなどが滑膜への刺激となると、炎症を起こし膝関節内に水がたまることもあります。

Q. 膝の関節痛(変形性膝関節症)は、どんな人がかかりやすいの?

A. 中高年層から関節痛の症状がみられることがあり、中でも高齢者に目立ちます。しかし、膝への負荷のかかり方にもよるため、若い世代で発症することもあります。


膝の関節痛は加齢による影響と思われがちですが、他にも原因があります。以下のリストで当てはまるものにチェックを入れてみてください。

膝の「関節痛」チェックリス

□ 冷え性である
□ 運動不足
□ 肉体労働やスポーツで強い負荷がかかっている  
□ 肥満傾向にある
□ 以前よりもO脚またはX脚が目立つようになった   
□ 親が変形性関節症である
□ 重い荷物を持つなど、関節に負荷がかかりやすい生活習慣がある
□ 過去に外傷などで膝を痛めたことがある
             
※上のリストで3個以上当てはまる人は注意しましょう。

慢性的に身体の末端やお腹に冷えを感じやすい方は、血流が滞りやすくなる傾向があります。膝関節に関わる筋肉の血行不良が起こると、膝関節への負荷や可動性に影響を及ぼし痛みに繋がる場合があります。

また、病気療養後に太ももの筋力が衰えた方や運動不足で肥満気味の方は、膝関節にかかる負担が大きくなるため注意が必要です。それから、過去に激しいスポーツなどで半月板や靭帯を損傷した経験のある方は、若い世代でも変形性関節症を有することがあります。最近では発症の原因に遺伝的要素も含まれることが分かってきた為、変形性膝関節症がみられるご家族がいる場合は、日頃から気を付けるようにしましょう。

Q. 膝の関節痛(変形性膝関節症)の主な症状は?

A. 膝関節の変形の他にも、さまざまな症状がみられます。


変形性膝関節症の特徴的な症状は以下の通りです。

・膝が腫れている

膝関節に負荷がかかり、そのまま酷使する状況が続くと、関節軟骨が傷ついたり減ったりすることで滑膜が刺激され炎症を起こすことがあります。また、関節内に関節液がたまると、膝に鈍痛が生じ、膝周りに違和感を感じるようになります。

・動くことで膝が痛む

階段の上り下り、歩く、走る、座り姿勢から立ち上がる、座るなど膝関節を動かす動作に伴い、痛みを感じることがあります。

・しゃがんだり正座をすることができない

膝関節を動かす筋肉のこわばりや関節周囲の炎症がみられる場合は、スムーズな膝の曲げ伸ばしが困難になることがあります。また、膝を伸ばして座ろうとしても膝がまっすぐに伸びないこともあります。

Q. 効果的な対処法は?

A. 適度な運動と薬による治療法があります。痛みがひどい場合、または既に変形している場合には手術が必要なこともあります。


簡単なストレッチや水中ウォーキングなど、関節に負担をかけない適度な運動が良いとされていますが、症状によって対処法は異なります。

関節の軟骨部分であるグルコサミンは日々体内で合成されますが、加齢やストレス、ダイエットなどにより不足しがちなため、サプリメントで補うのも良いでしょう。また、筋肉や皮膚などに含まれる天然イオウ化合物、MSM(メチルスルフォニルメタン)はグルコサミンと組み合わせることで、より関節を保護する効果が期待でき、痛みや炎症を鎮める働きがあります(グラフ参照)。MSMは野菜やフルーツ、牛乳、穀物などに含まれていますが、ごく少量のため、こちらもサプリメントで補うと効率的に摂取できます。

先生オススメ!かんたんストレッチ


タオルを使ってできるストレッチをご紹介します。ぜひやってみてください!

監修:All About「肩こり・腰痛」ガイド
カイロプラクティック理学士(B.C.Sc)檜垣暁子(ひがきあきこ)先生

あきカイロプラクティック(横浜市都筑区)副院長。日々、肩こり・腰痛をはじめとする体の不調を訴える方の相談・施術をする他に雑誌・新聞・テレビ・WEBなどにおいて記事執筆・監修を行う。著書に「マッサージに通っても肩こりが治らない本当の理由」(秀和システム)「今すぐできる! 肩こり・首痛を治す32のルール」(学研)など。

https://allabout.co.jp/gm/gp/51/