美健JUMP! この人に訊く


SPECIAL INTERVIEW
柴田理恵さん



明るく親しみやすいキャラクターで人気の柴田理恵さん。
お仕事やプライベート、最新出演映画『大コメ騒動』について伺いました。

人を楽しませることが私の喜び


――柴田さんの笑いの原点とは?

子どもの頃の私は、読書好きで学級副委員長をさせられるような真面目人間。人前に出るのは嫌じゃないけど、あえて目立つこともしませんでした。そんな私の学生生活を一変させたのが、中学校の修学旅行です。夜、宿泊先の部屋でものまね歌合戦が始まったのですが、私はその様子をただニコニコしながら見ていました。

そのうち「理恵ちゃんも何かやって」といわれ、山本リンダさんの『どうにもとまらない』を披露したところ、それがみんなに大ウケで、一夜にしてクラスの人気者になっちゃったんです。まったく接点のなかった人たちとも友達になり、まるで別世界が開けたような感覚でした。この経験から、「人を楽しませる喜び」に目覚めた私は、以降、学芸会などに率先して参加するようになりました。

――人を楽しませる手段として、お芝居があったんですね?

そうですね。だから高校では演劇部に入りました。そして、せっかく演劇をやるのだから本物も観てみたいと思い、「労演」と呼ばれる演劇鑑賞団体の会員になって、2ヵ月に1回くらいのペースで新劇のお芝居を鑑賞するようになりました。
そんなある日、山奥の利賀村に、白石加代子さんがいた早稲田小劇場のアングラ演劇がやってきたんです。「わぁ~すごい!かっこいい!」と感動した私は、東京に行って、もっとたくさんの芝居を観たいと強く思うようになりました。そこで、明治大学文学部演劇学科に進むことを名目に上京したわけです。

――劇団「東京ヴォードヴィルショー」に入るきっかけは?

学生として将来を思い描いた時に、スーツ姿でOLをやっている自分は全然想像できなくて、やっぱりこの道しかないのかな、と。それで、大好きだった佐藤B作さんが率いる劇団「東京ヴォードヴィルショー」の門をたたきました。でも何年かやっていくうちに、徐々に方向性の違いが生じてきて、結局はそこを離れることに。「笑い」にこだわっていた私は、同じ思いをもつメンバーと劇団「WAHAHA本舗」を旗揚げしたんです。

――「WAHAHA本舗」は唯一無二の存在として、根強い人気がありますね。

「自分たちがやりたいこと」ではなく、「お客さんに喜んでもらえること」「ワッハッハ~!と大笑いして楽しんでもらえること」だけを考えて舞台を作るのがWAHAHA本舗です。演劇界からは演芸といわれ演芸界からは芝居といわれますが、それもWAHAHA本舗ならではの世界観。旗揚げから36年経ちますが、バカバカしいこと、くだらないことに徹する姿勢は決して揺らぐことはありません。そのポリシーがしっかり根付いているからこそ、この長い年月、多くの皆さんに応援していただけているのかもしれませんね。

着物と家庭菜園がマイブーム


――柴田さんは、お着物をよく着られるそうですね?

着物、大好きですね。着物の良さに魅せられて、はや20年くらいになるでしょうか。きっかけは、仕事で韓国に行った時のことです。ある料理店の女主人が韓国の民族衣装であるチマチョゴリをさりげなく着こなしている姿がとっても素敵だったんです。それを見て、私の心に火が付きました。日本人なんだから、日本の民族衣装である着物をもっと着るべきだ、ってね。

考えてみると、祖母も母も叔母もみんな着物をよく着ていました。実は、私にとって着物はすごく身近な存在だったのに、その良さが全然分かっていなかったんですよね。それに気づいた私は、祖母や母、叔母たちから少しずつ着物を譲り受けながら、その魅力にハマっていきました。今は、いただいた1枚1枚の歴史に思いをはせながら、サイズを直したり、リメイクをしたりして着物ライフを楽しんでいます。

――他にプライベートでの楽しみはありますか?

庭いじりですね。かつて、我が家の庭は劇団の後輩たちから「死の庭」って呼ばれていたんです。そうやっていじられるのが悔しくて、一念発起、少しずつ手入れを始めました。この自粛生活中もせっせと手入れをしていたので、かなりいい状態に仕上がっていますよ。そして、庭の一部は家庭菜園にして、ハーブを育てたり、八百屋さんで買ってきた根っこつきの長ネギや三つ葉、セリなどを植えたりしています。私は健康オタクではありませんが、「食べるものが体を作る」という意識があって、そこだけは疎かにしないよう心がけています。その基本が、「自分が納得する材料で手作りする」こと。家庭菜園は、そんな私の食生活にとても役立っていますね。

――最後に、ご自身の出身地である富山県を舞台にした最新出演作の映画『大コメ騒動』について、教えてください。

富山の漁師町の女性が、自分のためではなく、子どものため、だんな様のため、親のために立ち上がって戦った米騒動がテーマです。悲しいエピソードもたくさんある中、彼女たちが使う富山弁が、作品をユーモラスにみせるいいエッセンスになっています。世代を超えて楽しめるストーリーです。ぜひ、ご家族でご覧ください。


PROFILE

柴田理恵(しばた・りえ)

1959年1月14日生まれ。富山県出身。
劇団東京ヴォードヴィルショーを経て、1984年佐藤正宏や久本雅美らともに劇団WAHAHA本舗を旗揚げ。劇団の中心メンバーとして活動する傍ら、ドラマや映画、バラエティー番組などに多数出演し、活躍の場を広げていく。2006年には映画『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』でハリウッドデビューも果たした。代表作は、ドラマ『はみだし刑事情熱系』やNHK連続テレビ小説『ひよっこ』、NHK『週刊こどもニュース』など。

MOVIE
『大(だい)コメ騒動』
2021年1月8日(金)TOHO シネマズ日比谷ほか全国公開
2021年1月1日(金)より富山県にて先行公開
https://daikomesodo.com/
監督:本木克英
脚本:谷本佳織
キャスト:井上真央、室井 滋、夏木マリ、立川志の輔、左 時枝、柴田理恵、鈴木砂羽、西村まさ彦、内浦純一、石橋蓮司 他

米の価格の高騰で脅かされる日々の暮らしを守るため、おかか(女房)たちが井戸端から声を上げ、やがて社会を大きく変えていく――。1918年に富山県の貧しい漁師町で起こった米騒動。その史実をもとに、騒動の中心となったおかかたちの活躍を描く、笑いあり涙ありの痛快エンターテイメント。主題歌は、今年デビュー35周年を迎えた米米CLUBの「愛を米て」。