SPECIAL INTERVIEW浅野和之さん

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映画・ドラマで引っ張りだこ!
名バイプレイヤー・浅野和之さんの素顔に迫ります。

とにかく演じることが好き!

浅野さんにとって役者とは?

大好きなこと、そのひと言に尽きますね。子どものころから人前で何かをやることが好きで、その手段として選んだのが芝居。そして、いつしか芝居にハマり、好きだからもっと知りたい、好きだからもっと続けたいという思いでここまでやってきました。
もちろん、壁にぶつかったこともありますよ。もともと、僕は舞台からスタートしているので、映画やドラマなどの映像の仕事を始めた時は、その違いにかなりとまどいました。演じることの基本は同じなのですが、舞台とカメラの前とでは芝居のサイズが違う。舞台では少し大きく演じるので、それをそのまま映像に持ち込むと、どうしても違和感が生じてしまうんです。それになかなか馴染めず、舞台と映像の両輪は無理なんじゃないかと思い悩んだ時期もありました。でも今は、それぞれの良さを知り、どちらも存分に楽しんでいます。

これまでにもっとも難しかった役は?

井上ひさしさんの『藪原検校(やぶはらけんぎょう)』という舞台でやった盲人の太夫(たゆう)役。語り手だったんですが、とにかく台詞が膨大な量だったので苦労しました。公演の半年以上前からコツコツ準備して、稽古初日には台詞がすべて頭に入っている状態でスタート。それでも不安は拭えず、公演中は必ず10分前にスタンバイして、まるで修行僧のように精神統一し気持ちを集中させていました。充実感はありましたが、まさに苦行の日々でした。

役作りで工夫していることは?

演じるということは、台本を自分の体の中に入れること。つまり、台詞を覚えるだけでなく、それをしっかり腑に落としていかないといけないので、集中力が必要ですね。そこで、コロナ騒動の前は第2の仕事場としてカラオケボックスを愛用していました。小さな部屋で、携帯もカラオケ機器の音源もすべて切ってしまえば、気が散るものが何もなく台詞覚えに没頭できるからです。特に日中は格安で利用できるので、午前中に行って夕方までずっと籠っていることもしばしば。どんなに大声を出しても気にならないので、すごく重宝していました。今は、台詞覚えの場はもっぱら自宅の自室になっているので、カラオケボックスほど集中できないのが悩み。たまに、「頭の中テープレコーダー~!」みたいに、ドラえもんの秘密兵器が出てこないかと思ってしまいます。

役作りで工夫していることは?

演じるということは、台本を自分の体の中に入れること。つまり、台詞を覚えるだけでなく、それをしっかり腑に落としていかないといけないので、集中力が必要ですね。そこで、コロナ騒動の前は第2の仕事場としてカラオケボックスを愛用していました。小さな部屋で、携帯もカラオケ機器の音源もすべて切ってしまえば、気が散るものが何もなく台詞覚えに没頭できるからです。特に日中は格安で利用できるので、午前中に行って夕方までずっと籠っていることもしばしば。どんなに大声を出しても気にならないので、すごく重宝していました。今は、台詞覚えの場はもっぱら自宅の自室になっているので、カラオケボックスほど集中できないのが悩み。たまに、「頭の中テープレコーダー~!」みたいに、ドラえもんの秘密兵器が出てこないかと思ってしまいます。

掃除をすることが一番のリラックス法

若さの秘訣を教えてください。

僕には80歳、76歳、70歳の姉兄がいるんですが、みんな本当に元気で若々しいんですよ。全員が年齢より若く見られます。僕を含め、何か特別なことをしているわけではないので、家系的にそういう遺伝子を持っているんじゃないかと思っています。また、マッサージ師の方によく言われるのが筋肉の若さ。軟らかくて再生能力が高い、良い筋肉だとほめられます。確かに、50代の頃までは全くの疲れ知らず。ハードな舞台をこなした後でも、「甘いもの食べたいな」って思う程度で、疲れてベッドに倒れ込むとか、何もやる気がなくなるとかいうことはまずありませんでした。これもまた遺伝かもしれません。それから、食事に関してはすべて妻が管理してくれています。僕が健康なのは、意識せずとも栄養バランスのいい食事がとれているおかげですね。

お仕事で忙しいなか、どんな方法でリラックスしているのですか?

僕は、お休みができたからといってボーッと何もしないで過ごすことができない人間なんですよ。マグロみたいに常に動いていないと死んじゃう。だから時間ができると、すぐに大好きな掃除を始めてしまう。

じっくり本を読む時間も好きですが、結局は台本のことが頭をよぎってしまい集中できない。でも、掃除に没頭すると、台詞覚えから完全に解放されて、すごくリラックスできるんです。新型コロナウイルスの影響で少し仕事が減っていた時期は、思う存分家の掃除ができたので、ある意味、充実した時間が過ごせました。でも、度を越えた掃除好きは、逆に仇となることも。台詞覚えの途中、台所に水を飲みに行ったつもりが、蛇口の汚れが気になって掃除、シンクの汚れが気になって掃除…。そして、気づいたらレンジフードまで磨いていた、なんてことも過去にはありました。「あれ?オレ、いま何してたんだっけな?」って。それではさすがに仕事に支障をきたすので、最近は自制心を働かせるようにしています。

最後に、今度出演される舞台『23階の笑い』の見どころを教えてください。

マンハッタンの高層ビルの23階を舞台に、テレビマン、人気コメディアン、若手作家たちが織り成す人間模様を描いた作品です。二―ル・サイモン×三谷幸喜という2人の喜劇作家のコラボですから、面白いこと間違いなし!特に、三谷さんの笑いのツボは本当にすばらしい。マニアックではなく、老若男女誰でも楽しめる作品なので、ぜひ観に来てください。

  • 浅野和之(あさの・かずゆき)

    1954年2月2日生まれ、東京都出身。
    1987年、劇団『夢の遊眠社』に入団。1992年の解散まで在籍した後、舞台だけでなく映像の世界にも活躍の場を広げていき、多くのドラマや映画に出演。また、2002年に三谷幸喜作・演出の舞台『You are the Top/今宵の君』以降、三谷幸喜作品では欠かせない存在となっている。

  • 作品情報

    『23階の笑い』
    2020年12月5日(土)~12月27日(日)  世田谷パブリックシアター
    作:ニール・サイモン
    翻訳:徐賀世子
    演出・上演台本:三谷幸喜
    出演:瀬戸康史、松岡茉優、吉原光夫、小手伸也、
    鈴木浩介、梶原善、青木さやか、山崎一、浅野和之
    チケット前売開始日:11月22日(日)
    公演サイト:シス・カンパニー www.siscompany.com/23f/